クリスマスツリーの星言葉
子供の頃クリスマスツリーを飾るのが一番好きでした。
そしてそれは今でも一番好きなのです。
毎年ツリーを飾る日は土曜日の昼下がりと決まっていました。
当時、土曜日も学校があったので3時間の授業を終えると私は急いで家に帰りました。
土曜日のお昼ごはんはだいたいカレーと決まっていて、すこし緩めの母のカレーは
私にとってごちそうでもありました。
午前中にあれだけ吹雪いていた空も次第に雲が少なくなり…
ツリーを箱から出し、まずは本体を組み立てる。
パラパラと落ちていくビニールの葉っぱ。
それもなんだか楽しくて笑いながら組み立てる。
次はいよいよオーナメントの飾り付け。
赤や黄色のモールでできたサンタに、発泡スチロールを土台にしたプレゼント、赤いキラキラした球。
飾り付けの順番を間違えたって平気。
飾る場所も逆になっても大丈夫。一番上にはお星様。
長い長い電飾を巻きつけ
コンセントに挿す。
ツリー全体が灯る。胸がドキドキする。
上から下まで全部……赤や黄色の小さな光がキラキラして…
私はこの瞬間が大好きだった。
まるで夢を見ているかのようでした。
1分間だけ点滅無しが終わり
次からチカチカしていくツリーの灯りの後ろ側には窓がある。
あれ?晴れているのに雪が降っている…
ツリーの光りの向こうでチラホラ降る雪が、まるで自分へのご褒美を与えてくれたかのように感じました。
それは唯一、解放された大事な時間。
太陽の光、ツリーの灯りと白い雪がこの瞬間をさらに輝かしいものにしてくれ
小さな私にとってはそれが一番好きで、かけがえのない時間でした。
生きている喜びを感じる時間でもありました。
夜になってもツリーは点灯されたままです。
「ずっとこのまま点いていたらいいのに…」
空に一つだけ光る星のように
ツリーのてっぺんに飾った星も
そんなふうに光って見えた
星言葉はこれにしよう。
そんな事を思いながら
今年もまた私はツリーを飾る。
あの頃の
小さな私になって
ツリーを飾る。
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